「キリストにこの望みを置いている者はみな、キリストが清い方であるように、自分を清くします。」（Ⅰヨハネ3:3）

　「この望み」とは、「キリストが現れたときに、キリストに似たものになる」という希望です。キリストが再び来られるとき、キリストにある者たちはみな復活のからだを与えられます。朽ちることのない栄光のからだを着せていただきます。その希望のゆえに、キリストを信じる者たちは自らを清く保つように励むのです。罪を憎んで、罪を遠ざけるように心がけるのです。「キリストにとどまる者はだれも、罪を犯しません。」（3:6）。その人がキリストにあるならば、罪を犯すことができないと言っています。キリストを知っているということは、そういうことです。論理的で必然的な結論です。キリストを信じている者の特徴は、その人が罪を犯さないということです。

　「神から生まれた者はだれも、罪を犯しません。神の種がその人のうちにとどまっているからです。その人は神から生まれたので、罪を犯すことができないのです。」（3:9）。強盗しようとクリスチャンを誘ってみてください。彼は決してついて行きません。罪とはっきりわかっていることを、彼は犯すことができません。罪を犯すとしたら、罪かどうかわからない場合です。罪ではないと、騙されている場合です。「幼子たち、だれにも惑わされてはいけません。」（3:7）。敵は巧妙ですから、知らず知らずのうちに罪に誘われていくことがあります。だとしても、決して罪を犯し続けることはできません。「神の種」である聖霊が宿っているからです。次第に、罪に対して敏感となり、識別できるようになります。大人へと成長させていただくからです。

　「罪とは律法に違反することです。」（3:4）。積極的な意味は、キリストを知っている人とは義を行う人だということです。「このことによって、神の子どもと悪魔の子どもの区別がはっきりします。」（3:10）。区別がつきにくいかも知れません。どちらか見分けがつきにくいでしょう。しかし、いずれはっきりとわかります。本質が現れるからです。それは、隠すことができません。創造主の子か、悪魔の子か、二つに一つです。

　「私たちが神の子どもと呼ばれるために、御父がどんなにすばらしい愛を与えてくださったかを、考えなさい。事実、私たちは神の子どもです。」（3:1）。創造主の子どもは、その愛を受け入れ、考え続ける人です。今だにぼんやりしているでしょうか。安心してください。徐々にわかります。私たちが創造主の子どもであるという事実です。使徒ヨハネは、この手紙でそのことを伝えようとしたのです。